若手研究者インタビュー

INTERVIEW

「こんなことできたらいいな」という発想を実臨床に繋げていきたい
諏訪 達也(すわ たつや)

オックスフォード大学腫瘍学部門 招聘研究員(日本学術振興会 海外特別研究員)
京都大学大学院 生命科学研究科 附属放射線生物研究センター 招聘研究員
京都大学大学院 医学研究科 放射線腫瘍学・画像応用治療学

「こんなことできたらいいな」という発想を実臨床に繋げていきたい

どのような部分に面白さがあると感じますか

 私は、大学卒業後、放射線腫瘍医としてがん治療に携わっています。現在のがん治療は、手術、化学療法(抗がん剤など)、放射線治療、免疫療法が一般に行われますが、治療が効かない、あるいは副作用で治療を継続できない症例が数多く存在します。この状況を打開するため、私は、人体に先天的に備わる自然免疫のユニークな特性(がんと正常組織において役割が異なる)に着目し、「有害事象を増加させずに抗腫瘍効果を向上させる」新規の免疫放射線療法の開発を目指した研究を行っています。

 研究の面白さには、純粋な知的好奇心や有望な結果を得たときの達成感もありますが、「患者さんに自分の研究成果を還元したい」という気持ちが未知のことに挑戦する活力となっています。一方で、成果を出すことを意識しすぎると焦りを生み、面白さを減らします。そういう意味でも、(特に海外で研究を開始してからは)研究室内の実験のみに注力せず、分野や立場を問わずに多くの方と交流することも大切にしています。交流を通して新たな発見や深い洞察を得ることができ、研究を多方面へ展開できるからです。

 微力ながら、がん治療に貢献していけるよう、引き続き精進してまいります。

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